「地方移住はやめとけ」と言われる3つの理由|郊外という現実的な選択肢

「自然の多い場所でゆったり暮らしたい」と地方移住に憧れる一方で、「地方移住はやめとけ」という声を目にして、不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
地方移住には、住宅費を抑えやすい、自然を身近に感じられるといった魅力があります。
しかし、仕事の選択肢が限られやすい、車が必要になりやすい、地域によっては人間関係を負担に感じるなどの注意点があるのも事実です。
特に、現在の仕事や生活利便性を維持したい場合、都市部から離れた地域へ一気に移住すると、想像していた暮らしとのギャップが生じる可能性があります。
ただし、地方らしいゆとりある暮らしを実現するために、必ずしも都市部から大きく離れる必要はありません。
都心へのアクセスを確保しながら、比較的広い土地を確保しやすい郊外であれば、地方移住で懸念されやすいデメリットを抑えつつ、理想の住環境を目指せます。
そこで本記事では、「地方移住はやめとけ」と言われる理由を整理したうえで、都市部と地方の中間に位置する郊外という現実的な選択肢について解説します。
地方移住や郊外への住み替えを検討しているものの、仕事や生活環境に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
このコラムのポイント
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地方移住では、収入の低下や車への依存、地域の人間関係などが負担になる場合があります
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郊外なら、都市部へのアクセスを維持しながら、広い土地やゆとりのある住環境を確保しやすくなります
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土地代を抑えられれば、住宅性能や設備、庭・外構などに予算を配分する選択肢も広がります

「地方移住はやめとけ」と言われる3つの理由

地方移住には自然豊かな環境やゆとりある暮らしといった魅力がある一方、仕事や生活環境、人間関係などで都市部との違いを感じることがあります。
ここでは、「地方移住はやめとけ」と言われる主な3つの理由について解説します。
(1)仕事が見つからず、収入が下がりやすい
地方移住では、都市部と比べて企業数が少なく、希望する仕事を見つけにくい場合があります。
中小企業庁が公表している2021年6月時点の企業数と、令和7年賃金構造基本統計調査をもとに算出した地域別の平均年間収入を比較すると、以下のとおりです。
| 都道府県 | 中小企業数 | 大企業数 | 平均年間収入の目安 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 419,013社 | 4,582社 | 約677万円 |
| 神奈川県 | 183,675社 | 522社 | 約591万円 |
| 鳥取県 | 14,623社 | 18社 | 約430万円 |
| 島根県 | 19,550社 | 22社 | 約445万円 |
※中小企業庁が公表している2021年6月時点の企業数と、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」における「都道府県、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」をもとに、月額賃金×12か月+年間賞与その他特別給与額で平均年収を算出して比較
東京都や神奈川県などの都市部と比較すると、鳥取県や島根県では企業数が大幅に少なく、転職先となる企業の選択肢が限られることがわかります。
賃金にも差があり、東京都の平均年間収入は約677万円であるのに対し、鳥取県は約430万円、島根県は約445万円と、年間で200万円以上の差が見られます。
ここでは東京都・神奈川県と鳥取県・島根県を例にしていますが、都市部に企業や雇用が集中し、地方ほど賃金水準が低くなることは全国的にも見られる傾向です。
このように、地方移住では仕事の選択肢が狭まりやすいうえ、都市部と同水準の収入を維持しにくいことが、「やめとけ」と言われる理由のひとつです。
参照:中小企業庁「中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します>都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者総数」
(2)車が必要になりやすく、買い物施設や医療機関にアクセスしづらい
地方では、鉄道やバスなどの公共交通機関が都市部ほど充実しておらず、買い物や通院など日常の移動に車が必要になる地域も多いです。
スーパーやドラッグストア、病院などが徒歩圏内にない場合、ちょっとした買い物や通院でも車を使う必要があり、都市部と比べて移動の自由度が下がります。
さらに、車を所有すると、購入費だけでなく、ガソリン代や自動車保険、税金、車検、メンテナンス費用なども継続的に必要です。
特に、ご夫婦それぞれが通勤などで車を使う地域では、一人一台の所有が必要になる場合もあり、車にかかる負担はさらに増大します。
地方は住宅費などを抑えやすい一方、こうした車の保有コストを含めると、都市部と比べて生活費が想定ほど下がらない可能性もあります。
(3)人間関係が密接で、閉鎖的に感じられる場合がある
地方では、自治会や町内会、地域行事などを通じて、住民同士が関わる機会が多い地域も珍しくありません。
人口が少ない地域では顔見知りになりやすく、家族構成や仕事、普段の生活などが周囲に知られる傾向が強いです。
人とのつながりが安心感につながる一方、都市部のように適度な距離を保って暮らしたい人にとっては、負担に感じる場合もあります。
また、地域独自の慣習や暗黙のルールがあったり、すでにできあがっている住民同士の関係に入りづらかったりすると、移住者が地域を閉鎖的だと感じることもあります。
近所の人と生活圏も重なりやすいため、人間関係が合わなくても距離を取りにくい点も地方暮らしならではの難しさです。
このように、人付き合いの濃さがストレスになる場合があることも、「地方移住はやめとけ」と言われる理由です。
都心と地方の中間、「郊外」という現実的な選択肢

地方移住にはさまざまな魅力がありますが、仕事や交通、生活利便性などを考えると、都市部から大きく離れることが最適とは限りません。
そこで選択肢となるのが、都心へのアクセスを保ちながら、広い土地や自然のある暮らしも実現しやすい郊外です。
ここでは郊外を選択するメリットを紹介します。
郊外なら通勤・通院の利便性を保ちつつ、土地の広さを確保できる
郊外の魅力は、現在の仕事や生活圏との距離を大きく変えずに、都市部より広い土地を検討しやすい点です。
都市部から遠く離れた地方へ移住すると、勤務先や通学先、かかりつけの医療機関などを変更しなければいけない場合があります。
一方、都心への鉄道や幹線道路が整った郊外であれば、これまでの通勤・通学や通院を続けながら住み替えることも可能です。
そのうえ、都市部より土地に余裕を持たせやすいため、複数台の駐車スペースや庭、家庭菜園、お子さまが遊べるスペースなども計画しやすくなります。
つまり郊外は、仕事や通院など現在の生活基盤を維持しながら、地方移住で求めていた「広い土地でゆったり暮らす」という希望も実現しやすい選択肢です。
土地代を抑え、建物の性能や仕様に回す考え方
郊外への住み替えでは、都市部より土地代を抑えやすく、その分の予算を建物の性能や設備、仕様に回す考え方も選べます。
たとえば、東京都地価公示によると、住宅地の平均地価は千代田区で363万1,400円/㎡、港区で301万3,700円/㎡です。
一方、八王子市は13万1,300円/㎡、多摩市は20万2,800円/㎡となっており、同じ東京都内でも都市部と郊外では地価に大きな差があります。
| エリア | 住宅地の平均地価 |
|---|---|
| 千代田区 | 363万1,400円/㎡ |
| 港区 | 301万3,700円/㎡ |
| 八王子市 | 13万1,300円/㎡ |
| 多摩市 | 20万2,800円/㎡ |
土地にかかる費用を抑えられれば、断熱性や気密性といった住宅性能を高めたり、キッチンや浴室などの設備に予算をかけたりすることも可能です。
また、駐車スペースや庭、ウッドデッキなど、暮らしの快適性を高める外構にも予算を配分できます。
都市部の交通利便性をある程度保ちつつ、理想的な住宅を建てやすい点は郊外だからこその魅力です。
なお、住宅の予算の組み方については、下記の動画でも詳しく解説しています。
>関連コラム:家族世帯が東京郊外で住みやすい街とは│一戸建ての相場やエリア選びのポイントもご紹介
郊外への住み替えを検討するときに確認したいこと
郊外へ住み替える際は、土地の広さや価格だけでなく、日常生活に必要な移動時間や周辺環境まで確認することが重要です。
特に、都心から移る場合は、これまで徒歩や公共交通機関で完結していた生活が変わる可能性があります。
主に以下のポイントについて、確認しておくのがおすすめです。
| 確認項目 | チェックする内容 |
|---|---|
| 通勤・通学時間 | 自宅から勤務先・学校までの所要時間、乗り換え回数、朝夕の混雑状況 |
| 最寄り駅までの距離 | 徒歩・自転車・バスで何分か、雨天時でも移動しやすいか |
| 買い物環境 | スーパーやドラッグストア、コンビニまでの距離、営業時間 |
| 医療機関へのアクセス | 内科や小児科、総合病院までの距離、休日・夜間診療の有無 |
| 車の必要性 | 通勤や買い物、送迎などで車が何台必要になるか |
| 駐車スペース | 敷地内に必要な台数を確保できるか、来客用スペースが必要か |
| 庭・外構 | 庭やウッドデッキ、物置、自転車置き場などを設ける余裕があるか |
| 子育て環境 | 保育園や学校、公園、習い事へのアクセス |
| 将来の暮らし | 高齢になって車を運転しなくなった場合でも生活しやすいか |
上記は、それぞれ単独で確認するのではなく、実際の生活動線をイメージしながら整理することが大切です。
たとえば、最寄り駅まで近くても、スーパーや病院まで車が必要であれば、日常生活では車への依存度が高くなります。
また、都心から郊外へ住み替える場合は、車の保有台数や駐車スペース、庭、外構なども重要な確認ポイントです。
土地が広くても、建物や駐車スペースを配置すると、想定していたほど庭のスペースを確保できないケースもあります。
そのため、土地の価格や広さだけで判断せず、通勤や買い物など日常の動線と、庭や外構まで含めて確認することが、住み替え後のギャップを減らすうえで重要です。
>関連コラム:「郊外移住」におすすめの地域、成功させる「8つの方法」を解説│メリット、デメリットなど特徴もご紹介
地方移住・郊外への住み替えに関するよくある質問

地方移住や郊外への住み替えを検討する際は、暮らしやすさや地域選びについてさまざまな疑問が生じます。
ここでは、地方移住や郊外への住み替えに関するよくある質問について解説します。
Q:地方移住の後悔を避けるために確認するべきことは何ですか?
地方移住の後悔を避けるためには、仕事や収入、交通手段、買い物・医療環境、地域との付き合い方などを事前に確認することが重要です。
特に、移住後に転職する場合は希望する職種の求人があるか、現在と比べて収入がどの程度変わるかを確認しておくことが欠かせません。
また、車が必要な地域では、購入費や維持費を含めた生活費も想定しておく必要があります。
あわせて、スーパーや病院、学校までの距離、公共交通機関の本数、自治会や地域行事の頻度なども確認しておくと、移住後の生活を具体的にイメージしやすくなります。
可能であれば、移住前に何度か現地を訪れたり、お試し移住制度を利用したりして、実際の生活環境を確認することも有効です。
Q:「郊外」と「地方移住」は異なる考え方ですか?
「郊外」と「地方移住」は、必ずしも同じ考え方ではありません。
郊外は都市部と地方の中間に位置し、都心へのアクセスや生活利便性をある程度保ちながら、広い土地や自然のある暮らしを実現しやすいエリアです。
一方、地方移住では都市部から距離が離れるほど、仕事の選択肢や公共交通機関、買い物・医療環境などに不便を感じる場合があります。
その点、郊外であれば通勤圏を維持したり、都市部の医療機関や商業施設を利用したりしながら、庭や駐車スペースのある住まいを確保することも可能です。
地方ならではのゆとりある暮らしに魅力を感じつつ、仕事や生活利便性を大きく変えることに不安がある場合は、郊外への住み替えも現実的な選択肢といえます。
>関連コラム:トカイナカとは?関東を例にするとどこなのか│メリット・デメリットなど特徴も紹介
Q:試しに移住してみることは可能ですか?
自治体によっては、お試し住宅や移住体験ツアーなどを用意している場合があり、本格的に移住する前に地域での暮らしを体験できます。
たとえば、アクティブハウスの施工エリアである木更津市では、移住・定住に関する専用サイトを設けているほか、電話やオンラインによる移住相談を受け付けています。
ただし、すべての自治体にお試し移住制度があるわけではありません。
その場合でも、移住相談窓口を利用したり、実際に現地へ何度か足を運んだりすることで、通勤や買い物、周辺環境などを確認できます。
まとめ|地方移住の「やめとけ」は、「郊外」が現実的な選択肢
地方移住には、自然豊かな環境や広い土地などの魅力がある一方、仕事の選択肢や収入、車への依存、地域の人間関係など、都市部とは異なる生活上の課題があります。
そのため、現在の仕事や生活利便性を大きく変えてまで地方へ移住することに不安を感じる方もいます。
そのような場合は、地方移住だけでなく「郊外への住み替え」も選択肢のひとつです。
郊外であれば、都心へのアクセスや買い物・医療などの利便性をある程度維持しながら、広い土地や庭、駐車スペースのある住まいを実現しやすくなります。
また、都心より土地代を抑えられれば、その分を住宅性能や設備、外構などに配分することも可能です。
地方移住のメリットだけに目を向けるのではなく、仕事やご家族の生活、将来の暮らしまで考えながら、無理なく理想の住環境を実現できる地域を選ぶことが大切です。
アクティブハウスでは、都心へのアクセスが可能な八王子や木更津などで家づくりを手掛けています。
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WRITER
記事監修者
東京・千葉・愛知の企画型注文住宅
アクティブハウス
特定建設業許可 許可番号 国土交通大臣許可(特-1)第25561 号






